2011年2月19日土曜日

会社の成長は社員の幸せから Part9 …長野県 食品会社会長 塚越博さんの話 2010/10/6放送分







*ラジオ深夜便、2010/10/6放送の伊那食品工業株式会社会長 塚越博さんのお話の要約中。
*インタビュアーのパートは●表しています。


●今、インタビューしている部屋が会長室
●正面にある世界地図の黄色の印は原料を仕入れている場所ですか


いえ、昔は原料を仕入れていたが、今は私たちの海外工場があるという意味

インドネシア、モロッコ、チリ、そして韓国

●もう現地生産しているのですか

そうです。

人件費が安いという理由ではなくて

昔から原料を仕入れていた

なぜ、原料を仕入れていたのかというと

若い人は知らないと思うが

かつては日本の海が世界で一番汚かった

ちょうど日本が高度成長していた数十年前

その時は日本の川と海が一番汚かった

だんだん海藻も少なくなり、将来が不安だったので

私が世界中を探して歩いてみた

結果的に先程の4箇所で

比較的よい海藻が採れるとわかって

それで仕入れをしていた

それがもとになって、私たちが技術指導をして工場を作った

●海外生産をうまくやるためにも信頼が必要なのでしょうか


そうです。

どこの国でやるというより誰と組むというのが一番大事

パートナーはあくまで個人

信用のおける人と組んだらうまくいくのだと思う

だから私達とつきあっている人は皆30年以上の取引

おかげさまで、非常に友好的にやってこれている

●現在450人の方が働いていて、売上が160億以上だとか

昨年は160億で、今年は170億ぐらいだと思う

●順調になるまでには長い旅路だったのでしょうね

売上はそう意識していなかったが

中堅企業というのがウチの肝なのだと思う

この規模が実は経営上、いい規模だと私は思う

だいたい全従業員の名前と顔がわかるし

会社の隅々まで見ることもできるし

いわゆる運転しやすい自動車のようなものだと思う

我々のやっている今の仕事は原料に制約があり

下手に大きくすることができない

天産物とのバランスを取っていかないと

採りすぎたら乱獲になってなくなってしまう

そういうことを考えながらやっていくには

適正な規模だと思っている

他の分野で多少大きくすることは可能かもしれないが

あまり本業からかけ離れたことをやっていると

安定に繋がらなくなってしまう

会社を大きくすることを目的に

どんどん多角化するようなことはしたくないと思っている


●あくまでも社員の幸せのためにということですか

そんな格好のいいことではないですよ

まぁ、自分のためでもある

だって、会社が不安定な経営では自分も安心できないし

社員の幸せを考えながらやるというのは

巡り巡って自分のためになっているのだと思う

●順風満帆な経営をつくりあげ、
●自分の生き方が形になったのがこの会社とお見受けしてよろしいでしょうか


そんな大げさなものではないですが

ここへ来るまでの間に実に多くの人のお世話になってきた

社員も本当に一生懸命やってくれている

いつでも感謝を忘れないようにしている

50周年のときもなんとか感謝を表したくて

お世話になった人を呼ぼうとしてリストアップしたら2千人を越えた

2千人を収容するホールは伊那市にはない

だったらガーデンパーティにしようと

社員が屋台をだしてもてなした

当日は天気もよく、実にうまくいった

みな大変喜んでくれた

私はいつも大勢の人のお世話になったという気持ちは忘れない

世話になったと気持が、

少しでも会社を安定させることで世の中のためになりたいという気持ちにさせる

安定した経営をしていれば少しでも寄付ができる

社員を毎年雇用できるとか

世の中のために結果としてなっている

だから今後も安定した経営を続けようと思っている

年輪のように


●最後に現代の日本の経済、経営についてどう思うか聞かせてください


最近の経済界はなぜか倫理観が不足しているように感じる

私の倫理観はそれが社会的に正しいかという意味

何が正しくて、何が正しくないかというとわかりにくいが

自分だけよければ

今さえよければ

というのが正しくないと思う

自分もいい、他人もいい、社会もいいというのが正しいのだと思う

自分さえよければ、自分の会社さえよければというのが

過激な競争社会を作っている

これを修正するには

場合によっては政治の力が必要だろうと思う

●グローバルスタンダード、世界標準に合わせた会社にしなくてはならない
●それが利益優先という風潮を生み出しているように感じますが

グローバルスタンダードというのはよくわからないが

倫理観に満ちた

誰のための会社か、なんのための会社かということを追求していくことが

本当のグローバルスタンダードなのではないかと思う

●渋沢栄一氏の論語の経済学も無くなっているとおっしゃっていたが


論語は耐えて久しいが

二宮尊徳もいっていたかもしれないが


経済なき道徳は寝言である

道徳なき経済は犯罪だと

経済を否定するものではないが、そこに倫理観がなければ

それは犯罪行為に等しいのだと

だから私も大したことができるわけではないが

ある程度、倫理観に満ちた、道徳観に満ちた経営をしたいと思っている


●これからもますますのご発展を、今日はどうもありがとうございました

こちらこそお世話になりました。

ありがとうございました。





*今回で完結です。

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